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生涯教育としての防災学習 [防災啓発]

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上画像は、神戸大学都市安全研究センター「RCUSSオープンゼミナール」ホームページ掲載のこれまでの講義のテーマ・キーワード集(ラベル)。阪神・淡路大震災の2年後の1997年からほぼ毎月1回開講し、本年でちょうど20年を経過。来る11月18日開催予定の同ゼミナールは第227回となる


■《Bosai Plus》 第174号・2017年11月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●本号特別企画「防災の学び」にちなんで

 やや旧聞に属しますが、経済協力開発機構 (OECD)による国際成人力調査(PIAAC)という世界規模の調査結果が2013年10月公表されています。OECD24カ国の労働力人口(16歳~65歳)について「読解力」、「数的思考力」、「ITを活用した問題解決能力」のスキルを初めて評価したもので、それによると――日本は上記3つの項目のいずれも1位だったそうです。
>>文部科学省:OECD国際成人力調査(PIAAC)調査結果の概要

 いっぽう、この国際成人力調査で、各国の成人(30歳以上、ただし米国、ドイツは年齢を調べておらず対象から除外)に「現在、何らかの学位や卒業資格の取得のために学習しているか」との質問項目があったそうです。
 ニューズウィーク日本語版での教育社会学者・舞田敏彦氏の解説(寄稿)によると、「日本は1.6%とランキング18カ国の中でもっとも低く、学校で学ぶ成人がもっとも少ない。最高はフィンランドの8.3%で日本のおよそ4倍。上位は北欧の国々で占められ、教育有給休暇や学費の無償化など、成人が学び直しできる制度が整っている」とのこと。
 舞田氏は続けて「日本では教育を受ける機会が人生の初期に集中しているが、求められるのは、教育期と仕事期(引退期)の間を自由に行き来できる『リカレント教育』の実現だ」としています。
>>ニューズウィーク日本語版:日本の成人の「生涯学習」率は先進国で最低
●「リカレント教育」はいま……“防災の学び”こそ時代の流れ?

 「リカレント教育」とは――OECDが1970年代に提唱した生涯教育の一形態で、個人が社会に出てからも繰り返し再教育を受けられる循環・反復型(リカレント:recurrent)の教育システムを指すそうです。
 この「リカレント教育」、最近ときどき耳にします。というのも、現政権が「人生100年時代構想推進会議」を立ち上げて人材力の強化を掲げ、教育機会の確保やリカレント教育等について検討を進め始めたから。

 これまでわが国では、“大人の再教育”と言えば長期雇用を前提として仕事に必要な知識・技術を習得する企業内教育や、仕事に役立つスキルアップが中心でした。しかし近年は、終身雇用が揺らいで非正規雇用が増加し、少子高齢化や人口減少を背景に、“学び”の目的も、実務的なものから心の豊かさや生きがいのためというように変わってきたみたいです。

 となると、経済成長のための「リカレント教育」よりは、社会の安全・安心のための「防災リカレント教育」のほうが時代の潮流かもしれません。
 本号の特別企画にみるように、「防災リカレント公開講座」はますます意気盛んですよ、安倍さん……

   (M. T. 記)

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地震津波+内陸津波…ため池防災 [内陸津波(ため池決壊)]

P1__島根県が公表したため池ハザードマップより松江市中心街にほど近い「深町池」の事例.jpg
島根県が公表した島根県地域防災計画に位置づけられている「防災重点ため池」のハザードマップより、松江市中心街にほど近い西川津町の「深町池」の事例。写真中央上手に赤い線で囲まれた貯水量32万トンの深町池が決壊するケースで、5分後に下手の島根大学が浸水する


■《Bosai Plus》 第173号・2017年11月01日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●西日本に多い「ため池」、南海トラフや豪雨との関連で、要防災!

 本号では巻頭企画を「ため池防災」としました。小紙の編集企画は、オリジナル企画以外には、官庁情報やマスメディアなどによる報道ネタをヒントに“深掘り”することで立案しています。

 今回の「ため池防災」は島根県の新着情報がきっかけでしたが、九州北部豪雨でため池決壊による被害が大きかったこと、また、テレビでも人気の歴史学者・磯田道史(みちふみ)さんがたまたまクイズ番組で天正地震の解説をしているのを聞いて、そういえば、彼の著書『天災から日本史を読みなおす』(中公新書)にもたしか「ため池決壊」関連の記述があったと思い出し、その本を本棚から探し出してもう一度目を通して……という発想の連鎖も手助けしました。
 そこに、11月1日から「南海トラフ地震関連の情報」発表が開始されるということで「ため池防災」が「ちょうどいい!」ということに……

 福島県新地高校生の歴史研究コンテストでの受賞の話題は福島民友新聞で知り、「大津波伝承、なぜとぎれたか」というテーマに興味をひかれ、内容はまだ公表されていないので、とりあえずウラをとる意味で東日本大震災での新地町の被災状況を調べてみたら、新聞記事にある“八千山(はっせんやま)”のいわれがおもしろかったことや常磐線新地駅での劇的な避難事例などを再発掘、そんな“連鎖”もあって企画化されました。
 「人為地震」の話題も、北朝鮮の核実験で気象庁が地震波を検知……という話と、ナショジオの記事のタイミングが結びつきました。

 そんなこんなで話のネタがつながるとき、編集者としては“\(^_^)/”(“やった”の変換で出てきました!)という感じです。

●話変わって……来年の話はまだ早いでしょうけど……

 来年平成30年(2018年)は、明治元年(1868年)から起算して満150年に当たるそうです。国は「明治150年」関連の取組みを地方公共団体や民間も含めて、日本各地でいろいろ展開するそう。

 天皇陛下の退位日は2019年3月31日、皇太子さまが翌4月1日に新天皇に即位してその日に新しい元号が施行される予定と聞いていますので、来年からやや復古調の世情になるのでしょうか。
 ちなみに、今年は昭和92年、大正106年にあたると、ウチの日めくりカレンダーにあります。

 編集にかかわる者としては西暦と元号の混在はめんどうくさくてしようがない……とは言いにくくなるのかな?

   (M. T. 記)

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目前の災害に、知恵・情報・技術で備える [防災ビジネス]

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上画像は、最新の防災関連の話題から主な情報や啓発資料などをイメージ的に構成したもの。上段写真は「危機管理産業展2017」(10月11〜13日)の会場風景、中段図版は左から、国の「11月5日・津波防災」キャンペーンポスター、東京都の「備蓄キャラバン」、米国カリフォルニア州山火事に関連して「山火事への備え」(啓発資料)、下段左は日本初の「防災製品大賞」ロゴ、右下は気象庁資料から「新燃岳10月11日の噴火」

■《Bosai Plus》 第172号・2017年10月15日号発行!
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●防災の季節? 防災キャンペーンは“防災の日常化”につながるか

 本号の原稿締め切り直前に「危機管理産業展 2017」が開催され(10月11日~13日)、本紙も取材に赴きました。
 いっぽう、国が2017年度の「津波防災」に関する取組み(11月5日の「津波防災の日」キャンペーン)を公表、また東京都が11月19日の「東京都・備蓄の日」に向けて広報を展開していて、さらに民間では防災安全協会が日本で初めてという「防災製品大賞」の決定・表彰を危機管理産業展会場で行うとのお知らせが入りました。
 そこで、防災週間直後ということでもあり、事実上、“防災啓発キャンペーン”が本号の特別企画(記事連携テーマ)となりました。

 本紙冒頭でも述べたように、東日本大震災発生前日の2011年3月10日、気象庁は、津波防災シンポジウム「津波警報!!そのときあなたは?」を主催しています。その案内ちらしがまだネット上に残っていますので、ご参考まで、下記にリンクを付しておきます。
>>気象庁「津波防災シンポジウム「津波警報!!そのときあなたは?」(ちらし)
 「そのときあなたは……」は、津波警報を聞いて逃げますか、逃げませんか?との問いでした。その翌日に、あの大災禍が起こったのでした。

 防災の知恵や情報、防災の技術(耐震化や情報通信整備など)はもちろん、防災力を高めるものです。しかし、東日本大震災を目の当たりにして私が直感的に思ったことは、100年以上前の明治三陸地震津波の再来だ、100年以前と状況は同じだ、ということでした。いくら知恵・情報・技術が進んでも、100年前と同規模の被害が起こるのはなぜだ、という衝撃でした。

 災害は人間と人間社会の脆弱性を突いて起こると言いますが、いくら知恵や情報、技術をアップデートしても、災害はそれを踏み台にして乗り越えて、人間と人間社会を凌駕して起こるものなのか……と。

 それでも私たちは一歩ずつ、災害犠牲者ゼロというゴールをめざして歩むしかありません。「事実(災害)は小説(人間の想像力)より奇(想定外)なり」で、常に“自然を畏れる”、自然に対して動物的な嗅覚をもって接しなければならないということでしょう。

 となると、アナログ的ではありますが、地震の予兆に動物が逃げ出すという宏観異常現象をあながち否定できないのかもしれません。
 “胸騒ぎ”をおぼえたら、あなたは逃げますか、逃げませんか?

   (M. T. 記)

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いま改めて、リアルな最悪想定 [防災啓発]

P1_東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」(第7回)より.jpg

上画像は東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」(第7回)より。都内の各地域における地震に関する危険性を、建物の倒壊および火災について測定したもだ。しかし、リアルな首都直下地震ではこうしたリスクをはるかに超える災害リスクの“負の連鎖”が起こり得る。危機管理の要諦「最大のリスクは自らの死」を心に刻むべきだろう

■《Bosai Plus》 第171号・2017年10月01日号発行!
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●メキシコ地震に触発されて……改めて、「リアルな最悪想定」

 本号特別企画「リアルな最悪想定」の発案のきっかけは、9月7日と19日に発生したメキシコ地震でした。とくに19日の地震は、32年前の1985年同月同日に発生したメキシコ地震(M8.0、死者約1万人)と発生日が符合し、その教訓を踏まえた防災訓練も行われていたようです。

 私たちから見れば自然界のハザードは、災害をもたらし、人間と対立し、冷徹に見える自然の営みですが、あくまで自然の(自然な)現象です。私たちは、対岸のメキシコ地震が連続して起こった、あるいは偶然32年前の大地震と同月同日に起こったことで、ついその意味や背景を探ろうとしますが、それは、私たちの分析や想定を寄せつけず、はるかに超越して、自然の摂理として起こります。
 私たちがそれに備えていようがいまいが、無関係に。

 直近のメキシコ地震で、そういう自然の営みの正体(本質)が改めて垣間見えたように感じ、現代の私たちの自然災害への備えがいかに“正常化の偏見”に満ちているか(甘いか)を、思い知らされたように思いました。
 そしてたまたま予知の可能性に40年間すがり続けた東海地震・大震法見直しが、メキシコ地震と重なりました。南海トラフ巨大地震の、あるいは、首都直下地震の「リアルな最悪想定」を改めて直視すべきではないのか――

●東京都が都民からの事業提案を募集

 本紙(P. 3)の囲み記事で取り上げたように、東京都がいま、従来の発想に捉われない防災分野を含む事業提案を都民から募集中です。
 都から“期待する視点”が示されてはいますが、そうした視点も超えるような、首都直下地震のリアルな最悪想定、スーパー都市災害に応え得る実効性のある防災アイデアを考えてみませんか?

●齋藤徳美先生が 2017年度防災功労者 内閣総理大臣表彰を受賞

 本紙に幾度もご寄稿をいただいている齋藤徳美・岩手大学名誉教授が本年度防災功労者 内閣総理大臣表彰を受賞されました(9月8日)。
 本紙といたしましても心よりお祝い申し上げます。

 なお、齋藤先生による直近の本紙寄稿記事は下記に掲載されています――
>>《Bosai Plus》:2017年7月1日号(No.165)「防災+防災士で災禍を防ぐ」

 また、先生によるほかの寄稿記事等へのリンクは下記記事の文末にあります。
>>《Bosai Plus》:2017年4月1日号(No.159)「岩手県第三期事業計画」


   (M. T. 記)

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効く処方箋「防災カルテ」 [地域防災]

P1_愛知県豊田市「防災カルテ(基礎版)」より「崇化館中学校区」の防災力評価例.jpg
上画像は愛知県豊田市が9月1日「防災の日」に合わせて公表した「防災カルテ(基礎版)」より「崇化館中学校区」の防災力評価」レーダーチャート例。地域危険度評価、被害想定、ハザードマップなどの要素を盛り込んで地域防災力を診断する「防災カルテ」を作成する自治体が増えている。自主防災の活動指針ともなり、活用が期待される


■《Bosai Plus》 第170号・2017年09月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●読者の防災活動に情報面で資することをめざして

 9月1日「防災の日」――本紙創刊7周年発行日でもありました――に合わせて、いろいろな情報が入ってきました。本号特別企画「防災カルテ」の直接のきっかけとなった豊田市「防災カルテ」をはじめ、会津若松市、東京都港区など、「防災カルテ」関連で新しい動きがあり、本紙特別企画を進めることになりました。

 本紙の編集企画は、このような官庁・自治体や研究機関・研究者、企業の情報発信(ニュースリリースを含む)や報道(海外情報を含む)、そのほかあらゆる情報ネットワークからアイデア・ヒントを得て、防災専門紙として内容を“掘り下げ”、“かみ砕き”、読者の防災活動に情報面で資することをめざして編集に努めているつもりです。

●本紙 編集企画のいのちは、“着想、切り口”

 もちろん、こうした情報を本紙オリジナルの編集企画にまで“育てる”には、本紙ならではの“着想、切り口”も欠かせないという自負もあります。
 例えば、本号「ClipBoard」で取り上げた朝日新聞の9月5日付け記事「豪雨来る 命の電話 秋田気象台長と首長、危機感共有し避難支える」に先立って、本紙は9月1日号(No. 169)で、仙台の本紙協力者・高橋英彦さんのご手配によって、当の秋田気象台・和田台長から直接ご寄稿をいただきました。

 また、やはり朝日新聞の9月11日付け記事「防災食育センター、なぜ基地の街に? 自治体が頼りに」も、本紙はすでに先の8月1日号(No.167)で詳しく報じています。
 読売新聞9月1日付け記事「避難場所の名称バラバラ 60種類以上…規定なし」のテーマについては、本号(P. 4)でも改めて取り上げたように、すでに本紙2015年11月1日号(No. 125)が取り上げた話題です。

●「防災情報のホールセール(wholesale:卸し)」を志して

 いえ、決して先取りを自慢するわけではありません(大手メディアより“着想”を先取りできれば、正直、うれしいのですが)。
 本紙は、防災専門情報紙として内心、「防災情報のホールセール(wholesale:卸し)」を志していて、報道関係の読者には逆に大いに参考にしていただけるニュースレターをめざしています(大手メディアがその報道のネタの出所として本紙名を入れてくれるとうれしいのですが)。

 ユニークな着想――本紙の「ゴールは遠いが、しっかり見える」という防災の見果てぬゴール(自然災害の犠牲者ゼロ)に向けて、ときには“規格外企画”を読者に問うかもしれませんが、真意をご理解いただければ幸いです。

   (M. T. 記)
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