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2017年7月 九州北部の豪雨 [大雨災害]

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上画像:国土地理院資料より「福岡県朝倉市-赤谷川の被害箇所2(2017年7月7日15時30分撮影)」

■《Bosai Plus》 第166号・2017年07月15日号発行!
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●「大雨特別警報」が3連発――「特別警報」は“効いたのか”

 7月5~6日にかけて、島根県、福岡県、大分県に連続して「大雨特別警報」が発表され、福岡県・大分県で死者30人(安否不明者18人)という大きな災害が起こりました。
 犠牲になられた方がたのご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、被害に遭われたみなさまにお見舞いを申し上げます。

 本号は、この「九州北部の豪雨」を緊急的に特別企画にしました。
 このたびの豪雨災害を特徴づけるものはいくつかあると思いますが、本紙が注目したことは、5年前に同じ災害名「九州北部豪雨」と呼ばれる災害がこの地方で起こっていること、今回は「大雨特別警報」が3連発で発表されたのに対して、5年前の災害時には「特別警報」は運用されていなかったということです。

 「特別警報」の運用が始まったのが4年前で、言うならば、5年前は「警報」下での災害対応であり、今回は「特別警報」下での対応でした。その差はあったのか、なかったのか……「特別警報」は“効いたのか”。

 「特別警報」はご承知のように「数十年に一度の、これまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況」(気象庁)だとされます。この表現は、防災情報として有効でしょうか。
 犠牲になった人、被災した人にとっては、「死に至る、人生最悪の、逃れようのない異常な状況」だったはず……いのちにかかわる防災情報の伝え方、受け止めという大きな課題……今後も引き続き追いかけたいテーマです。
 
●北海道、猛暑日が続く

 梅雨のない北海道では昨日(7月14日)、足寄(あしょろ)などで36.2度、北見市で35.7度、札幌市も34.9度だったそう。ちなみに道内の真夏日は10日連続。猛暑日は7月に入って4日目。道内で7月に10日続けて真夏日を観測するのは1997年以来20年ぶり。7月に猛暑日を4日記録するのは2004年以来13年ぶりとのこと。

 でも、20年ぶりとか13年ぶりなら、「数十年に一度の、これまでに経験したことのないような」という気象庁の「特別警報」レベルではないか……と、変に納得もしています。

●話題を変えて……テレビ局スタッフは、揺れたらヘルメットを

 7月に入って震度5クラスの地震が各地で起こりました。各地の揺れの様子はテレビで垣間見られますが、各テレビ局では局内オフィスの揺れの様子(定点カメラの映像)を放送することがよくあります。
 その際、さすがテレビ局報道スタッフのみなさんは落ち着いた行動をとられていますが、残念に思うことは、即座にヘルメットを着用する人がいないこと。

 このコーナーで国会本会場の各議員デスク下にヘルメットが常備されたことを紹介しましたが、報道のみなさん、国民の防災意識啓発の意味でも「揺れを感じたらヘルメット着用!」を励行していただけるとうれしいのですが。

   (M. T. 記)

防災実践者のための『地域防災Web』 [地域防災]

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上画像:防災科学技術研究所「統合化地域防災実践支援Webサービスの構築の概要」より。大学・研究機関で行われている理学・工学・社会科学分野の防災研究の成果を一元的にわかりやすく提供して社会還元を図り、地域の防災・減災対策への活用を促進しようというプロジェクトで、『地域防災Web』はその研究成果の集約だ

■《Bosai Plus》 第165号・2017年07月01日号発行!
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●「地域防災Web」 公開実証実験 開始!

 本号の特別企画は、防災科研が開発・構築する「地域防災Web」という、平たく言えば、地域防災の実践活動家――自治体の防災担当部署や、自主防災組織のリーダー的立場にある人たちに向けた“活動ノウハウデジタルアーカイブ”です。

 前号で「震災(デジタル)アーカイブ」を取り上げて、これまでの紙ベースの災害資料を“ひもとく”感覚から、ワンクリックアクセスできるデジタルアーカイブの便利さに注目しましたが、「地域防災Web」もなかなかの使いデのありそうなウェブサービスのようです。

 「地域防災Web」の紹介については、防災科研から直で本紙に情報提供があり、地域防災のリーダー的な立場の方がたを読者として想定する本紙はもちろん喜んで取り上げさせていただきました。
 みなさまにおかれましてもぜひ、7月3日以降に「地域防災Web」にアカウントをつくって、ご自身の地域での実践活動に応用されてみてはいかがでしょう。

●国策としての「防災の主流化・日常化」、防災士は「日常防災の実践者」

 本紙は防災士制度、防災士に協賛し支援する立場です。本号では日本防災士機構による功労賞授賞、日本防災士会の通常総会を取り上げましたが、2003年の防災士第1号誕生から十余年でいまや全国の防災士資格取得者は13万人を超えました。

 もともと防災士制度は阪神・淡路大震災を契機に構想されたものですが、東日本大震災を経て一挙に、わが国で「防災の主流化・日常化」が国策として唱えられるようになり、防災士も、“日常防災の実践者”として広く知れわたりました。

 日本防災士会総会で、防災士地方議員の連絡会や防災士資格を取得した国会議員の懇話会が立ち上がっているという報告がされましたが、防災は票には結びつけにくいテーマではあると思います。しかし、日常性のなかで「いのち・財産を守る」基盤となる防災の推進は、だれも反対できないテーマです。

 いまのところ、国会議員の防災士懇話会は与党議員(自民党・公明党)だけのようですが、ぜひ超党派で、かつ全国会議員にとって防災士であることが当然とされるような政界であってほしいと願っています。

   (M. T. 記)

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ワン・クリック先の「震災アーカイブ」53件! [震災(災害)アーカイブ]

P1_NPOいわて連携復興センター「3.11-いわてNPOチラシアーカイブ」より.jpg
上画像:『3.11いわてNPOチラシアーカイブ』HPより、被災地の草の根支援活動の足跡をうかがわせるチラシの数々。「震災アーカイブ」はICT時代を迎えたいま、“開かれ、寄り添い、同時代を息づく記録・記憶、教訓”となった。あなたのデスクトップに、次の災害への備えとして、訪れるべき(クリックすべき)災害教訓の宝庫がある

■《Bosai Plus》 第164号・2017年06月15日号発行!
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●ワン・クリック先の「震災アーカイブ」

 「アーカイブ」(英語:Archive)とはもともと「公記録の保管庫」の意味で、それを“まとめて整理して保管する”こと。これまではとくに古文書・公文書・文化遺産の映像などの保管について用いられた用語だそうです。
 似た用語にライブラリー(蔵書・図書館の意)がありますが、こちらは「図書を対象にしたコレクション」で、図書館では資料類を整理する専門家を「司書」と言い、司書になるには資格が要ります。

 いっぽう現代用語としてのアーカイブは、ICT(情報通信技術=デジタル技術)の進展を背景に「あらゆる媒体(メディア)による記録・資料を対象にしたコレクション」となります。あらゆる媒体――つまり、紙(文書、本、チラシなど)から写真、動画、音声、SNSなどのウェブ情報――と、いまや多彩に無尽蔵に存在します。
 このなかから必要なものを“集めて、整理して、発信する”のが 現代のアーカイブの専門家で、図書館司書の対語として「インフォ・プロ(Information Professional)」という新語も生まれているようです。

 現代のアーカイブは、システムを構築する段階で「記録をどのように収集するか」、「どのようなメタデータ(そのデータに関連する情報~作成日時や作成者、データ形式、タイトル、注釈など)を付与するか」、「データの権利処理をどうするか」など技術面や制度面、運用面で多くの課題を抱え、「インフォ・プロ」などの資格制度はなく、まだ草創期で手探りなのが実情だそうです。
 もちろん、アーカイブをだれに、どのように活用してもらうのかという、まさにアーカイブの存在意義を問う大きな課題は、アーカイブ構築プロジェクトの大前提として俎上に載っています。

 災害資料はこれまで“紐解かれる”もので、本棚の奥からずしりと重い資料をドンとデスクに載せて、情報を求めて1ページずつめくるイメージでしたが、デジタル震災アーカイブではだいぶ様相が変わります……デスクトップで、あるいはノートパソコンをひざの上にワン・クリック……この便利さを活かすのも殺すのも、ワン・クリックの指先に込める“防災への思い”、ということでしょう。
 
●話題を変えて……福岡県那珂川町の“防災手話”

 前号で「手話で『防災サイン』」のタイトルで、“手話の聖地・鳥取県”の話題を紹介しましたが、昨日の朝(6月14日)のNHKテレビ「おはよう日本」で、福岡県那珂川町職員が手話で避難所を案内するというリポートがありましたので、ご参考まで……
>>NHKニュース:おはよう日本「リポート」(役場職員が手話で避難誘導)
(2017.06.14.)
 役場を上げて手話の普及に力を入れている福岡県那珂川町では、災害に備えて聴覚障害者に安心して避難所を利用してもらえるよう取り組んでいる……

   (M. T. 記)

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「避難所開設キット」で備えを [避難所]

P1_2004年新潟県中越地震における体育館避難所の様子(写真提供:防災情報新聞).jpg
上画像は、2004年新潟県中越地震での学校(体育館)避難所の様子。災害は不意に起こるから、避難所開設・運営体制づくりに混乱が伴うのは当然だ。しかし、開設用のキット類だけでも事前にオーガナイズされていれば、そのキット類が動転した気持ちを落ち着かせてくれる効果を持つはずだ(写真提供:防災情報新聞)


■《Bosai Plus》 第163号・2017年06月01日号発行!
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●"カイゼン"を避難所開設・運営に応用?
 キット(小道具類)を活かす

 本号の特別企画は、ちょっと趣向を変えて「避難所開設キット」がテーマ。
 避難所開設・運営訓練でよく使う小道具類(キット)は、避難所の看板に始まり、受付の案内標識、受付用紙から腕章、各種報告用紙、ホワイトボード、ブルーシート、規制用ロープ、規制用テープ、養生テープ、メガホン、保安指示灯、筆記用具などなど多種多彩に及びます。

 これら小道具類をうまく"オーガナイズ"して(ここでは「戦略的な編成、実効性の高い設計デザイン」といった意味)、時系列で整理、それぞれにイラストなどで使用上のチェック事項を添えておくと、初めて避難所開設を経験する人でも「なるほど、この手順で進めるとこうしてこうなる……」という具合に、開設のノウハウから運営の課題なども総合的に理解できる実践教材になる――という"逆転の発想"の提案です。

 製造業の生産現場などでの"カイゼン"にも似ていますが、小道具箱を開けて使ってみることで、避難所開設で自分はなにをどうしようとしているかがわかるというもの。避難所運営は班分けされたり、担当が決められたりしますが、小道具類を知ることで、ほかの人の担当を理解することも可能です。

 これを先駆的に考案したのは東京都大田区や新宿区で、大田区では昨年、区内のすべての学校避難所に開設キットを常備しました。今回、熊本大学が制作した開設キットを熊本県が活用するという報道をきっかけに、取り上げてみました。

●話題を変えて……自然災害、巨大噴火の"危険値"

 ギャンブルには「期待値」という指標があるそうです。期待値とは配当金にそれが当たる確率を乗じたもので、掛け金を1000円とした場合の期待値は、宝くじやスポーツくじが約500円、競輪・競馬・競艇はおよそ800円、パチンコが900円弱、カジノは950円程度だそうです。
 いずれも損をするわけですが、それがギャンブルの醍醐味(?)なのでしょう。

 「巨大噴火の確率1%」という話題で本紙でも以前取り上げた巽 好幸・神戸大学海洋底探査センター教授が、ギャンブルの「期待値」から自然災害、巨大噴火の期待値(巽教授はこれを「危険値」と言い換えています)を論じています。

 ある災害や事故で1年当たりにどれ位の死亡者が出るかを予想した値=「危険値」はこれまでのデータによると、台風や豪雨災害の危険値80人、交通事故約4000人となるそうです。さらに首都直下地震、南海トラフ巨大地震、そして巨大カルデラ噴火では……? 下記サイトをご一読ください。
>>巽 好幸:日本喪失を防げるか? ギャンブルの還元率から巨大カルデラ噴火を考える

   (M. T. 記)



【 Bosai Plus が記事提供「RISCON NEWS」】ご案内
 《 Bosai Plus 》では、危機管理産業展ホームページ/トップの「RISCON NEWS」に一部記事を提供・公開しています。
 危機管理産業展は、東京都が特別協力して、「防災」、「防犯」、「リスク管理」の危機管理分野を横断的に網羅する国内唯一最大級の「危機管理総合トレードショー」で、年1回、秋に開催されます。「RISCON」(リスコン/Risk=危険、危機とControl=管理・制御の合成語)の愛称で定着し、「危機管理」という新しい産業分野の創造、危機管理啓発と関連産業の振興、新たな市場の創出に多大な貢献を果たしています。
>>危機管理産業展
>>RISCON NEWS で公開した 《Bosai Plus》の記事一覧はこちら(記事も読めます)

タグ:避難所
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熱中症防止へ "情報で備える" [熱中症]

熱中症予防カード(環境省:「熱中症予防情報サイト」より).jpg
上画像は、熱中症の症状、予防法、対処法等の要点が記載された「携熱中症予防カード」(環境省:熱中症予防情報サイトより)。熱中症という用語が一般化したのは比較的新しいが、地球温暖化を背景に一挙に“現代の気象災害”として浮上している。2020東京オリパラを控えて、熱中症対策は国民的課題になったとも言える


■《Bosai Plus》 第162号・2017年05月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●「熱中症」という用語は、いつから一般化したか……

 5月に入って気温の高低差が大きい日があり、一挙に熱中症の話題が持ち上がりました。総務省消防庁も5月の第1週から救急搬送状況の発表を始めたということで、本号特別企画のテーマは「熱中症」です。
 熱中症という言葉はいつごろから一般化したか―― 一説には、スポーツドリンクの「ゲータレード」(1968年米国発売)や「ポカリスエット」(1980年日本発売)の普及がきっかけとされるようです。ただ、これはむしろ、スポーツをする人のパフォーマンスを高める、スポーティブなライフスタイルをアピールするなどの動機づけが強いようで、熱中症という言葉自体はもちろん、その対策という背景はほとんどなかったようです。

 かつて、江戸時代の医学書(漢方系)ではいわゆる暑気あたりは「中暑」、明治時代に入って「日射病」の用語が登場しました。日射病は最近まで暑熱障害の一般的な名称だったので、年配の人はこの用語に慣れていることでしょう。いまは日射病は、熱中症の中でも直射日光が原因となるものと定義されています。
 意外なことに明治30年(1897年)、あの森鴎外(森 林太郎)と小池正直(軍医・政治家)が共著で発表した論文「衛生新編」で、ドイツ語で日射病と熱中症を区別して論じているそうです。森鴎外は文学者であると同時に軍医でもありました。
 ただし、その論文で「熱中症」(日本語の)という用語そのものが使われたかどうかは、今回調べる時間がなくて確認できませんでした。

 ある市井の開業医の方が、熱中症という言葉がいつごろから一般的に使われているかを調べていて、それによると、1996年5月に厚生労働省から「熱中症の予防について」という通達が出て、それが最初ではないかとしています。そして同省が熱中症の分類で統計をとり始めたのは、翌97年以降とのこと。
 ちなみに、その彼の手持ちの辞書には「熱射病」「日射病」は載っていても「熱中症」の記載はなく、唯一、新明解第7版(2012年三省堂)に「熱中症」が載っているとしています。

 彼は医師なので医学辞典などもいろいろ調べたようですが、専門家のあいだでは70年代に熱中症の用語が定着したようだとのこと。いずれにしても、「熱中症」の用語がここまで私たちに定着したのはごくごく最近、この20年のことのようです。
 まさに、"現代の気象災害"だと言えます。

●話題を変えて――忍者の"非常食"

>>時事通信:忍者の知恵を現代に=「携帯食、災害時も有効」-世界初の研究拠点・三重大
(2017.05.04.)
 手裏剣片手に城下を駆け抜け、呪文とともに分身を作り出したり姿を消したり。忍者は、漫画やアニメなどを通じ、国内外で大人から子どもまで幅広く愛されている。三重大は7月、世界初の「国際忍者研究センター」を三重県伊賀市に開設し、「Ninja」の総合的な研究を進める……
>>三重大学:忍者・忍術学講座

   (M. T. 記)


【 Bosai Plus 「ClipBoard」】ご案内
■「Bosai+ 防災カレンダー」は、防災イベントをお探しの方にはもちろん、地域、学校、職場などで防災イベント(防災訓練、勉強会、講演会、シンポジウムほか)を企画するときの参考情報としてご活用いただけます。
■ イベントを企画・主催される方には、広く社会に広報し、参加者を募るメディアとして、情報ご提供をお願いいたします。
■ 日本で唯一、最大級の防災イベント情報カレンダーをめざしています。 みなさまとご一緒に、さらに充実した防災カレンダーに育てていきたいと思いますので、ご活用、情報のご提供をよろしくお願いいたします。
>>Bosai Plus「防災イベント 2カ月カレンダー [この日起こった災害]付き」

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