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無関心層を振り向かせる「防災文化」試論 [防災啓発]

「週刊ビッグコミックスピリッツ」(3月13日発売号)付録『防災ミニブック(2種)』より.jpg
上画像:小学館発行の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」3月13日発売号が、東日本大震災から6年を機に、災害時の身の守り方や被災時に役立つ情報をまとめた「防災ミニブック」2冊を付録にしている。「1冊はあなたへ」、もう1冊は「大切な人に渡して」と、“リア充”(リアル=現実生活が充実していることを意味するネット造語)志向だ。イラスト:吉田戦車



■《Bosai Plus》 第158号・2017年03月15日号発行!
同P. 1(「もくじ」付き)へリンク

●『君と僕の防災』はまさに「リア充」

 本号の特別企画タイトルに「リア充」という言葉を使いましたが、これが死語になっていないことを祈ります。
 防災に無関心な層――若年層に限らないと思いますが、そういう人に無理やり関心を持たせようというのはなかなかむずかしい……いえ、ある意味では寺田寅彦が言うように、災害の記憶が風化するのは「人間的自然現象」で、無関心な人のほうが“自然”なのかもしれません。
 とは言え、近年は、災害は忘れずにやって来るという地変の時代の様相が色濃いわけで、やはり国民運動として広く自助・共助を進めなければなりません。

 本企画の狙いは、簡単に言えば、あまり楽しいとは言えない防災(だから“楽しい防災”と銘打った防災イベントが盛んに催されるわけです)なら、素直に“それほど楽しいものではない”と認めて、その代わりにアプローチ法を裏返して、生活を豊かにする(=リア充)努力の過程で、いつの間にか災害への備えも充実させるという手はないか、というものです。
 タイミングよく、漫画誌・週刊ビッグコミックスピリッツが『君と僕の防災』というニクい防災特集号を打ってくれました。「リア充」感をうまく表現してくれたと思います。

●「寝ていても安心な町」

 東日本大震災で大きな津波被害を受けた宮城県南三陸町では、住宅の高台移転を中心とした復興計画で「寝ていても安心な町」を標語にしているとか。これも「リア充」の復興計画と言えるかもしれません。

●無常観 VS. 有常観(リア充)

 日本人には古来、無常観が染みついていて、災害は天災としてあきらめる、忘れる、とはよく言います。だから防災が根づかないのだと。
 その意味では「リア充」は“有常観”だと言えます。有常なんて言葉はないようですが、「リア充」は“常に有る”というポジティブ志向のイメージです。
 防災が根づく可能性が……ありそうではありませんか?

   (M. T. 記)


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